宇部市に、製造業で女性社員が9割という会社がある事をご存じですか?
その会社は、社会インフラ整備や、AIなどの先端技術を支えている「株式会社宮商」です。
「働きやすい職場」を目指し実現している、宮商の取り組みについて取材しました。
会社の歴史

株式会社宮商は、セメント原料を取り扱う商社として昭和53年に東京で創業しました。
その後、宇部興産ビルの宇部支店を経て、平成20年から善和に自社屋、自社工場を構え、新たに宇部支店として半導体の加工を主力として事業を展開しています。
工場に潜入!

半導体加工を行っている工場を訪問させていただきました!
宇部支店のすぐ近くにある自社工場で働いているのは、全員女性ということです。

工場内では、ポリシリコンのかたまりを適切な大きさに加工する作業が行われていました。
ポリシリコンの破砕作業

半導体といえば、スマートフォンやパソコンに使われているICチップを思い浮かべる方が多いと思いますが、そのICチップは「シリコン」でできています。
こちらの工場では、周南市の「株式会社トクヤマ」から依頼を受け世界最高レベルの純度の「ポリシリコン(多結晶シリコン)」の粉砕、加工、選別を行っています。

これらの作業には繊細さと精密さが求められるため、女性の従業員の方々が手作業で行っていることを伺い驚きを感じました。

この繊細な作業を行うために、宮商では女性の従業員の方が活躍されています。
生産性と品質向上のため、休憩を頻繁に取り、しかもその休憩時間は労働時間の中に組み込まれているそうです。
働く女性の声

宮商では、20代から70代の方まで幅広い年齢の方が働いています。
子育て中の方や介護中の方など、様々なライフスタイルの方がいらっしゃいます。

勤続20年以上の渡壁さんと山縣さんは、入社当初はお子様が小さく、勤務時間の変更や急な休みにも対応していただけるなど働きやすさを求めて宮商に入社されました。
お子様が小学生だったため、8時半~16時半の勤務時間と週末のお休みが魅力的だったそうです。

1時間ごとに10分間と、午前・午後に20分ずつの休憩時間があり、しっかりと体を休めるので、作業にも集中できます。
ON・OFFがしっかりしているのでとても働きやすいです。



仕事では、困ってることや要望などを社長に相談しやすい環境で、即座に対応してくださるので信頼も厚いです。
常に働きやすい環境を考えてくださっています。


勤続11年の黒瀬さんは、友人が働いていて「人間関係が良いので働きやすいよ」と、宮商への入社をすすめられたそうです。



友人から聞いた通り人間関係が良く、これまでサービス業でしか働いてなかったのですが、未経験でも社内研修などがしっかりしているので、長く働けています。
同じく勤続11年の永田さんは、前職は半導体の工場のラインで働いていたそうです。
以前は機械を扱っていましたが、同じ業種でも手作業で加工品を作ることに面白さを感じたそうです。



仕事自体は大変に思われるかもしれませんが、私は手作業で仕上げていく工程がとても楽しいです。
みなさんが口をそろえて仰るのが、とにかく働きやすいということ。
作業されている時の姿は「職人」のようですが、お話を伺うとみなさん笑顔で雰囲気の良さが伝わってきました。
職場環境にとても満足されている印象を受けました。
キャリアアップも可能


フォークリフトを運転するのは部長の中野百合子さん。
業務に必要な資格を取る体制が整ってます。
また、ライフスタイルの変化に合わせてキャリアアップも可能です。
中野さんは昨年、定年を迎えられたそうですが、管理職のまま働き続けられています。



パートから働き始めて28年経ち、定年を迎えても変わらず働かせてもらえるのは本当にありがたいです。
体が動く限り頑張っていきたいです。
従業員のライフスタイルに寄り添う


宮商では、子育て中の従業員の割合が45%を占めており、育児休暇取得率と職場復帰率は100%となっています。



女性にはライフワークの中に結婚や出産、子育て、介護など様々なタイミングがあります。
そんなとき、仕事を手放さないといけない環境になってはもったいない。
この仕事は経験に裏打ちされた技術を必要とするため長く働き続けてほしいので、とにかく従業員が働きやすく、復帰しやすい会社を目指しています。
「宮商」の働き方に関する取り組み
- 子ども関係の行事や病気の際の休みやすさ(時短・時差勤務の推奨)
- 病児保育に係る費用の会社負担
- 原則残業なしだが、多く働きたい人には休日勤務を許可する など…



働きやすい職場環境を目指している企業は多いと思いますが、それを実現し、数字にも表れているのはすごいことですね。



約50人の従業員で、要望を反映しやすい環境かなと思います。
出来る限り応えることで、従業員の幸せを求めながら仕事の生産性も高まり、やがては会社の繁栄に繋がっていきます。





月一のランチ会では、会社から美味しいお弁当とお菓子が提供されるそうで、とってもうらやましいです♪



女性特有かもしれませんが、美味しいお弁当って楽しみですよね。
夏場はアイス等も準備して、休憩時間につまんでもらうようにしています。
ちょっとしたことですが、従業員のモチベーションアップに繋がることを行っています。
地域への貢献


地域貢献活動の一つとして、西法寺で行われている地域こども食堂「みんにゃ食堂」への協賛や運営に参加されています。
「みんにゃ食堂」は、かねこキッズクラブが主催となり、月に2回、多くのボランティアの協力で開催されています。
宮下社長は「今後も継続して続けていきたい取り組みです」と話されていました。
取材を終えて…


筆者も子育てをしながら働く身として、宮商の取り組みは“かゆいところに手が届く”ものばかりでした。
また、半導体市場は今後も成長を続けると予測されており、宮商の技術は欠かせないものになります。
「働き方改革推進」と「利益向上」の両立を目指し、実現されている宮商。
こんな素晴らしい会社があることをまずはたくさんの方に知ってほしい!と率直に感じました。
宮下社長は「今後は会社の取り組みを知ってもらうために、社外にも発信していきたい」と話されていました。
興味を持った方は宮商のホームページをぜひご覧ください。
※宮商のホームページはこちら↓
会社情報
店舗名 | 株式会社宮商 宇部支店 |
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住所 | 〒759-0134 山口県宇部市善和牛明 387-35 |
営業時間 | 8:45~17:15 |
定休日 | 土曜、日曜 |
TEL | 0836-62-1881 |
HP | https://www.miya-sho.co.jp/ |
取材日 |
2025年5月28日 |
駐車場 | あり |
※こちらの記事の内容は2025年7月24日現在の情報です。
記事は内容、金額等変更の可能性があります。
最新の情報についてはHP等でご確認、または、店舗等にお問い合わせください。