建設、鉄構、機械業などを手掛ける「新光産業株式会社」(以下、新光産業)は、1935年の創業以来、地元に根差した会社です。
炭鉱業から始まった歴史は、発展の過程で磨き上げたそれぞれの技術に特化して、多角的な事業を展開し現在に至っています。
筆者にとっては馴染みのない重工業の分野ですが、今回は、そこで働く人にスポットを当て、新光産業がどんな会社なのか掘り下げていきます!

目次

会社の歴史

宇部市厚南中央にある新光産業を訪れました。

お話を伺ったのは、7代目の代表取締役社長 沖 将介 氏。
2025年で創業90周年を迎える新光産業ですが、当初は炭鉱業を主とし、採炭で必要な機械を自主開発し製作することで技術を磨いてきました。
破砕機やベルトコンベアーなどの機械の製作、従業員の宿舎や自社も建設など、これらの物づくりが発展して、現在では次の5つの部門で事業を展開されています。

事業内容

  1. 土木・建築設計施工、舗装工事
  2. 橋梁、水門、クレーン、除塵機、鋼構造物等設計製作及び据付
  3. 油圧フランジ、クランプ継手、住宅基礎鉄筋ユニットの製造販売、フッ素樹脂ライニング加工、超高真空機器の設計、製作、据付
  4. 圧力容器、医薬品・食品機械装置、マイクロバブル機器の設計・製作
  5. 電気・計装・コンピュータシステム開発

私たちの生活に身近な学校、病院、橋などの建設、道路や公園の整備、生活を守る防潮ゲートの製作など様々な場所で社会インフラの整備実績があります。

nishida

事業の分野が幅広くて想像ができないですが、全て貴社で行ってるんですね!

沖社長

例えば建設について「設計」「施工」の両方を手掛ける弊社は、『様々な建築物をトータルプロデュースできる』という点が大きな強みです。
これまで培ってきた技術と信用でさらに地域に貢献したいと考えています。

社長としての想い

2024年4月に就任された沖社長は、新光産業に入社して45年、一級建築士として現場で活躍されました。
その現場で培った経験を基に「人との対話」を一番大切にしておられます。
「仕事をする上で人間関係の構築は欠かせません。とにかく話すことが大事。上司も後輩もコミュニケーションをとりながら一緒に進めていくことで、信頼関係が築かれ良い仕事ができます。」
沖社長自身も、現場に出向いたら必ず社員に声をかけるそうです。

沖社長

近年の課題は人材不足。
培ってきた技術があっても、それを継承する人材がいなければ会社の存続は難しいです。
古くなった施設を刷新して職場環境を良くし、快適な働ける会社を目指しています。

工場で働く社員の方々

社長自ら、工場を案内していただきました。
※安全靴を履き、ヘルメットを装着して同行させていただきました。

工場では、防潮用のゲートや産業用クレーンなどが製作されていましたが、足を踏み入れた瞬間、その製品の大きさに圧倒されるばかりでした。

鉄構事業部で培ってきた技術を受け継いだ社員の方々が働いています。

工作機械の操縦や手作業で作り出される製品ですが、熟練の技術を会得している職人さんは貴重な存在です。
しかし、近年では働き手の減少に加えて技術の継承にも時間を要するため、人材を確保することが難しくなっています。
今後は、古くなった施設や設備を新設する中で例えば、データ入力により操作できる機械の導入など、働きやすい環境にしていくと社長はおっしゃっていました。

未経験でも挑戦できる環境

新光産業では、異業種からの中途採用も積極的に行っています。
鉄構事業部の原田さんは、サービス業から転職されて7年。
全く畑が違う業種ですが、一から先輩方に教えていただきながら仕事を着実に覚えることができたそうで、今では係長を務めています。
沖社長は「やる気があればどんな業種からも歓迎します。年齢、学歴に捉われず、その人自身の姿勢や成果を評価するようにしています」とおっしゃっていました。

新光産業のホームページでは、採用情報のページに、新卒採用・中途採用の社員の方の声を掲載されています。
仕事内容や一日のスケジュール、さらには休日の過ごし方まで掲載されていて、興味深い内容となっています。
気になる方はぜひご覧くださいね!

風通しの良い職場

社員の方々にお話を聞くと「のびのびと働かせてもらってます」、「女性も働きやすい職場です」、「社長が気軽に声をかけてくれます」などの声が聞かれました。

鉄構事業部の津村事業部長は「社長が社長室にずっといる姿を見たことがありません。常にどこかの現場や事業部に足を運んでいて、つかまえるのが一苦労なんです。でも何かあったらすぐ話ができる、風通しの良い会社ですよ」とおっしゃっていました。
工場内を社長と数名の社員の方で案内していただきましたが、安全対策を一番に講じながらも、和気あいあいとしていて、筆者も話を聞きやすい雰囲気でした。
重工業という分野は、勝手ながら職人気質の硬いイメージがあったのですが、様々な方の力が一つとなり、壮大な規模の製品が完成する、ものづくりの面白みとやりがいを感じるお仕事だなと感じました。

宇部への社会貢献

創業地、宇部への感謝の気持ちを持ち、宇部市のイベントへの参加、高校や大学の奨学金やイベントの協賛金など様々な形で社会貢献活動を行っています。
毎年、宇部まつりには300人あまりの社員の内100人以上が参加し、パレードを盛り上げています。

また、災害時に、自社事業を継続しながら、同時に重機などを活用し、救援や復旧作業などに全面協力するという事業継続計画(BCP)を策定し、災害復旧に効率的に対応することで地域社会に貢献しています。
全国的に自然災害が多発している中、このような企業が地域にあることは、住民の方々にとっての安心にも繋がりますね。

取材を終えて…

近年、企業が抱えている人手不足の問題は新光産業に限ったことではありません。
その問題に真摯に向き合い、現実的な解決策を着々と実行している沖社長の姿を垣間見ることができました。
「これまで地域において貢献してきた新光産業を、さらに地域貢献できる会社へと導き、将来の社員へバトンを渡すことが私の役割と認識しています」と話す沖社長。
社員から会社をリードする立場になった沖社長だからこそできる、社員に寄り添った会社運営が魅力的だなと感じました。
この記事をご覧になって、少しでも新光産業という会社に興味を持っていただけたらうれしいです。

会社情報

店舗名 新光産業株式会社
住所 759-0297
山口県宇部市厚南中央二丁目1番14号
営業時間

8:00~17:00

定休日 土曜・日曜・祝日
TEL 0836-45-1111
HP https://www.ube-shinko.co.jp/
取材日 2024年10月2日
駐車場 あり

※こちらの記事の内容は2024年10月31日現在の情報です。
 記事は内容、金額等変更の可能性があります。
 最新の情報についてはHP等でご確認、または、店舗等にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

宮崎県出身で、宇部市に移り住んで10年になります。
3児の母で毎日奮闘中!好奇心が強く新しい場所、人に会うのが大好きなので、毎回の取材が楽しみです。まだまだ宇部の知らない所を発見して、ワクワクを届けられるように頑張ります。

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