地域密着!挑戦し続ける「株式会社ウベモク」

宇部市で創業約100年の歴史をもつ会社「株式会社ウベモク」(以下、ウベモク)をご存じでしょうか?
地場工務店等に木材を卸す会社としては県内シェアトップクラスです。
日本の気候風土と調和した木造建築ですが、近年、新築着工件数は減少傾向にあります。
木造建築の新たな可能性を追求し、時代の流れを先取りして新しいことに挑戦し続ける、ウベモクの中尾社長にお話を聞きました!

目次

木の心地よさを届ける

宇部市西平原にあるウベモクを訪れました。

広い敷地内の加工場を案内していただいたのは、ウベモクの代表取締役社長 中尾泰樹さん。

足を踏み入れた途端、木の香りに包まれます。
真夏の暑い日でしたが、加工場内は空気が澄んでいるような心地よさを感じました。

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木の香りにとても癒されますね!

中尾社長

私たちはその心地よさをお客様に提供するために、地域の工務店の皆様とともに、地元に根差した会社として頑張っています!

ウベモクってどんな会社?

ウベモクの主な事業内容

  • 木材、建材、住宅設備機器の販売
  • 2×4(ツーバイフォー)パネルの製作・販売、建築工事
  • アルミサッシ、ガラス製品の加工及び販売
  • 注文住宅・古民家再生

木造住宅関連の事業を行う中で、主力となっているのが、建築用木材を加工し地場工務店に販売すること。
もう一つの主力となっているのが「2×4(ツーバイフォー)パネル」の制作、販売です。

2×4(ツーバイフォー)パネルとは?
筆者にとっては聞き慣れない言葉ですが、中尾社長がわかりやすく教えてくださいました!


木材をあらかじめ工場で組み立てて、一枚のパネルを制作することです。
これを現地で組み立てて壁や床、天井になるわけですが、従来の現場で建築する手間を省くことができて、品質の確保と工期の短縮を行うことができます。
更にメリットがあり、耐震性、耐火性、断熱性にも優れているそうで、現在はウベモクで制作したパネルが宇部市内の高齢者施設や事務所など大規模な施設で採用されているそうです。

ウベモクのホームページはこちら↓

伝統ある会社を引き継ぐ

株式会社ウベモクは、昭和3年創業の酒田材木店から始まり、地域に密着した木材販売を行ってきました。
その後、宇部木材株式会社を経て昭和62年に「株式会社ウベモク」を設立。

中尾社長が代表取締役社長に就任されたのは、2015年。
前職は、大手半導体メーカーに勤めるエンジニアだったと聞き驚きました。

2012年に、当時社長を務めていた義父(酒田三男氏:現会長)に、商店街の空き店舗を活用した植物工場の事業化(後の「ウベモクファーム」開業)を提案したところ採用され、常務取締役として招かれたのが始まりだったそうです。
その後ウベモクファームは撤退することになりますが、時代の流れに柔軟に対応していくウベモクの経営方針は脈々と受け継がれているのを感じました。

常にチャレンジ!

異分野から木材加工業に飛び込んだ中尾社長ですが、常に将来を見据え、チャレンジを続けています。
大工や左官などの職人さんが減少していることに危機感を抱き、2×4(ツーバイフォー)パネル方式を取り入れたことが功を奏し、現在、事業の柱となっています。
「会社の歴史があるからといって、ずっと同じことをしていてはいけない。何が起こるかわからない時代だからこそ、常に新しいことにアンテナを向けて、今からできることをやってみる、チャレンジすることが大事だと思っています」とおっしゃっていました。

海外で広まっている建築素材「CLT(コンクリートに匹敵する強度をもつ集成板)」で、木造の高層ビルの建設も可能だということも教えていただきました。
すでに東京都内では、建築例があるそうで、近い将来宇部にも木造の高層ビルが…?と夢が膨らみます。
また、日本固有の「杉」の成分を活用し、強固な木材を作れないかと、独自の研究も進めているそうです。
中尾社長のお話を聞いていると、木の可能性と将来性を強く感じることができました。

受け継がれてきた地域貢献の精神

中尾社長が考案したロゴマークが迎えてくれます

ウベモクのロゴを、イベントやチラシなどで目にすることがあると思います。
「地元とともに発展してきた会社なので、恩返しをしていきたい」これは先代の酒田会長から受け継がれている精神で、宇部を盛り上げる活動やイベントは応援したいという想いがあるそうです。
宇部出身で、学生、社会人と宇部で過ごしてきた中尾社長は「慣れ親しんだ新天町を中心とした商店街が寂れている現状に寂しさを感じています」と言われていました。

最近は、街の活性化を図る山口大学の学生の活動に協力されています。
イベントで使用する移動式テナントにウベモクの木材が提供されています。
また、中央町のしばふ広場で開催のイベントで、木工ワークショップの材料に端材を提供されたそうです。
イベント主催のひとり、山大生の大野智裕さんは「中尾社長自ら話を聞いて下さり“学生がやるなら全面協力しましょう!”という言葉をかけてもらいすごくうれしかったです」と話していました。

今後の展望

今後、築50年の鉄筋コンクリートの社屋を木造に建て替え、加工場も天井や壁をリフォームしていくとのこと。
社員も快適に働ける環境を整えていき、若い人もこの業種に興味をもっていただけるようにしたいと考えられています。

中尾社長は「この業界の基礎となる林業は、危険が伴う大変な仕事だというイメージがありますが、今後は遠隔操作や機械導入により、若い方も働きやすい環境を作り、業界全体が発展していければと思っています。会社としては、国産の木を有効活用し、木造施設を建築することで循環型社会の実現とSDGsに寄与することを目指しています。そして、地場工務店等と協力しながらも、新しい挑戦として独自ブランドの家づくりにも力を入れていきたいところです」と話されていました。

“木の温かみ、木の香り、木の家はなんとなく落ち着く”と言われますが、近年では研究が進み、科学的に健康への効果が証明されてきました。
リラックス効果、睡眠の質向上、抗菌作用、認知症の抑制など…詳しくは、ウベモクが賛助会員である「共同組合 木の家の健康を研究する会」による研究結果をご覧ください。

参照:https://www.kitokenko.com/

ウベモクでは2024年から「無垢家てんねんいろ」という自然素材を使用した注文住宅、古民家再生事業を始められました。
“ワンランク上の素材を使用するけど、手の届く価格で…”ウベモクにしかできない安心して長く住める家づくりを目指されています。
これまで、ウベモクという会社と直接関わることがなかった一般の方も、目に触れる機会が増えることでしょう。
※「無垢家むくやてんねんいろ」について詳しくはHPをご覧ください↓

無垢家 てんねんいろ
無垢家 てんねんいろ - 古民家再生と無垢材の注文住宅 | 無垢家 てんねんいろ - 山口県・宇部市・木の家 無垢家 てんねんいろは、山口県宇部市を中心にで古民家再生や山口県産の無垢材を使用した安全・健康な家造りを提供しています。木の家や古民家の魅力と歴史的価値を大切に...

取材を終えて…

私自身、木を使った家に住んでおり“なんとなく木が好き”という感覚だったのですが、中尾社長のお話を聞いて、木を活用することは健康にも自然環境にも良い影響を与えるということを改めて知ることができました。
また、新素材の採用で木の活用の幅が広がり、木の可能性とウベモクという会社への期待が高まりました!
そんな会社が造る、国産の木材や自然素材を使った無垢の家、気になる方はぜひモデルハウスの見学に行ってみてくださいね!

会社情報

店舗名 株式会社ウベモク
住所 755-0808
山口県宇部市西平原三丁目2番22号
営業時間 8:00~17:00
定休日 土曜、日曜、祝日
TEL 0836-36-8000
HP https://ubemoku.com/
SNS Instagram
取材日 2024年8月7日
駐車場 あり

※こちらの記事の内容は2024年9月4日現在の情報です。
 記事は内容、金額等変更の可能性があります。
 最新の情報についてはHP等でご確認、または、店舗等にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

宮崎県出身で、宇部市に移り住んで10年になります。
3児の母で毎日奮闘中!好奇心が強く新しい場所、人に会うのが大好きなので、毎回の取材が楽しみです。まだまだ宇部の知らない所を発見して、ワクワクを届けられるように頑張ります。

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